「感謝と貢献」稽古第182日
『まちの健康ステーション』
(アサザプロジェクトに学ぶ)
共創事業プロジェクトでは、
【まちづくり人づくり】を共通目的。
人生バックアップサービス環境概要図に示す信頼のおけるコンシェルジュ機関。
アサザ基金のように、ネットワークの中心となってさまざまな組織を結び付ける役割を担う。構成メンバーは、健康人生実践者。
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アサザプロジェクトは、
霞ケ浦再生事業を共通目的として、アサザ基金が全体を調整して運営。
図のような動的ネットワークで、
(実践ソーシャル・イノベーション 著 野中郁次郎 廣瀬文乃 平田透)
に書かれていることを抜粋して参考とする。
関係の全体をデザインする
(下のイラスト図)からも明らかなように、
アサザプロジェクトではさまざまな事業が広範囲に同時並行で行われている。
小学生から高齢者まで多種多様な人々が、いろいろな立場で関係している。
この全体を調整し運営するのがアサザ基金であり、代表の飯島である。
これが「市民型公共事業」といわれるゆえんである。
このアサザプロジェクトに関係する組織を国土交通省がまとめたのが(下図)である。アサザプロジェクトがネットワークの中心となってさまざまな組織を結び付けていることが分かる。
しかし、飯島自身は、中心のないネットワークづくりこそが重要だという。
全体をコントロールしていく権威的な中心を持たず、役割の異なるそれぞれの部分が自律的に動きつつ、全体としては大きな目的へ向けて調和的に動く形、つまり階層化したネットワークでなく、部分が高い自由度を持ちながら共通の価値観によりまとまり秩序性を保つことが重要だというのである。
これを飯島は次のように表現する。
それは中心となる偉大な人格や強力な組織が不要な、すべての人の人格を機能させる社会を意図している。
人格を機能させるということは、ひとりひとりの人間が場として開くということだ。(中略)生態系には中心がない。どの部分も自己完結していない。(中略)
(縦割りの)ピラミッド型から(水平の、しかし中心のない)ネットワーク型へと思考を導いていくことが、社会の変革には必要だ。場を面と言い直すこともできる。
新たな展開を可能とする面を創り上げていくことが自然と共存する循環型社会の構築の前提となる。
私たちがこれから社会に創り上げようとする新しい面は、中心の無い動的ネットワークに覆われた面であり、想定外のさまざまな出会いが起き続ける潜在性に満ちた面である。
そこでは既存の社会システムを壊すのではなく、溶かすことを行う。
縦割りの壁を溶かし、内部と外部の間に豊かな交換を生じさせる膜に変えるのだ。
飯島は、組織や仕組みだけではビジョンを描くことはできず、欲望(経済的価値)をデザインすることが必要だという。
例えば、環境の保全に向けて制度や規制を作り強化するのは、上意下達による合意の強制であり、欲望の否定である。
つまり、「欲望を捨てなさい。規制を受け入れなさい。」ということだ。
これは、社会や経済の動きを止め、新たなビジョンや展望を抑圧し、イノベーションを抑制する。
飯島は、欲望を否定し、組織や仕組みを修正するのは問題対処型だと言う。
いま必要なのは、欲望を適切にデザインすることであり、それは、良き出会いの連鎖を通して新たな価値を創造することである。
その動きの中で、組織や仕組み、秩序性は現れてくるのである。