「納品のない受託開発」に倣い、「納品のない人的資本経営開発」へ

『生き方働き方創造』

中小企業のための人財採用・育成の共同プラットフォーム

「納品のない人的資本経営開発」

 

 

「納品のない受託開発」ってどういうこと?新しいシステム開発の方法論

https://type.jp/tensyoku-knowhow/skill-up/book-summary/vol5/

 

 

「わたしを束ねないで」

詩人 新川 和江(しんかわ かずえ)氏の作品 

 

わたしを束ねないで
あらせいとうの花のように
白い葱のように
束ねないでください わたしは稲穂
秋 大地が胸を焦がす
見渡すかぎりの金色の稲穂

わたしを止めないで
標本箱の昆虫のように
高原からきた絵葉書のように
止めないでください わたしは羽撃(はばた)き
こやみなく空のひろさをかいさぐっている
目には見えないつばさの音

わたしを注がないで
日常性に薄められた牛乳のように
ぬるい酒のように
注がないでください わたしは海
夜 とほうもなく満ちてくる
苦い潮 ふちのない水

わたしを名付けないで
娘という名 妻という名
重々しい母という名でしつらえた座に
坐りきりにさせないでください わたしは風
りんごの木と
泉のありかを知っている風

わたしを区切らないで
,コンマや.ピリオドいくつかの段落
そしておしまいに「さようなら」があったりする手紙のようには
こまめにけりをつけないでください わたしは終わりのない文章
川と同じに
はてしなく流れていく 拡ひろがっていく 一行の詩