「感謝と貢献」第848日
『生き方働き方創造』
中村天風(著)
「錬身抄」より抜粋
第二節 真健康と肉体生命の生活法則
先(ま)ず真健康獲得に必要な条件たる肉体生活方式を説くに先だち順序として第一に知らねばならぬことは「人間の肉体生命に存在する生活法則」即(すなわ)ち是(これ)である。
然(しか)らば如何なる生活法則なるものが肉体生命に存在しているかというに、
一、如何なる場合にも自然法則を無視して生活することを許さず。
二、常に肉体生命の強度を積極化すべく訓練的の方法を以て生活すること
という二つの事項に要約されるのである。
<中略>
先ず第一に、何故に自然法則を無視して生活することを許されぬかというに、由来われわれ人類なるものは、哲学的に論議しても又科学的に考査しても、大自然が作った自然物の一つであるがためである。
多く言うまでもなく自然物の一つである以上は、当然自然の法則に従って生活せねば、其生存を確保持続していくことの不可能なことは敢えて贅言(ぜいげん)を要さない。
およそ自然界に存在する自然物はその何種類たるとを問わず、仔細に観察すれば、いずれも皆自然の法則に順応随従しておるもののみが存在しているので、自然の法則に背反しているものは、絶対に存在していないのが事実である。